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2019年5月15日
芸術文化ホール
カテゴリ:学び

ウィーン少年合唱団 カペルマイスター(常任指揮者)による音楽講座(2019.4.29)

【目的】
・5月12日(日)開催『ウィーン少年合唱団2019』の関連企画として、市内在住・在勤の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校の職員または関係者を対象とした音楽講座を実施。
・世界一著名な合唱団といっても過言ではないウィーン少年合唱団。出身国や年齢も異なる合唱団員を束ね、指導するその手腕を合唱模擬指導を通して体験いただく。


【取り組み内容】
・5月12日(日)開催『ウィーン少年合唱団2019』にて、指揮・ピアノ伴奏を務めるほか、ウィーン少年合唱団のカペルマイスター(常任指揮者)であるマノロ・カニン氏を講師に迎えました。簡単な自己紹介の後、今回の講座は参加型であること、一方的な指導論の伝授ではなく、講師が合唱団員に行っている実際の指導を体験・体感しながら、受講者の疑問に随時答えていきたいといった意気込みをお話いただきました。
・まずは、ウォーミングアップと発声練習から始まりました。実際に身体を動かしながら、子どもたちの視線や集中力を惹きつけるための動き・コミュニケーション方法を披露いただきました。身体的に成長過程にある子どもは、自分の身体変化を把握することができないため、無意識に行う無理な発声や呼吸・姿勢が悪影響を及ぼす恐れがあり、注意が必要であることをお話いただきました。
・続いて講師が指揮と伴奏を行い、受講者とともにF.シューベルト作曲の歌曲《野ばら》を合唱しました。歌唱の際に、“正しいリズム・発声・発音”が大切であること、しかし、一方的な指導にならないよう、時には子どもたちから自発的に発言させる場面を作るなど、状況に合わせた柔軟な練習方法とその秘策を教えていただきました。楽譜に書かれているテンポや強弱などは、作曲者が意味をもって指示しているため、その背景を理解することが指導者には必要だとお話いただきました。
・世界各国から集う少年たちと長きに渡り時間を共有してきた、カペルマイスターならではの“教育論”には、興味深いお話が多数ありました。例えば、子どもたちは、楽譜を読むことや発声をすることに囚われて、自分の出している声(音楽)を聴くことがおざなりになりやすいため、パート別ではなく順不同の配列にするなど、環境を変えることも大切である、といったお話がありました。また、ウィーン少年合唱団は世界各国の様々な文化背景をもった子どもの集団であることを引き合いに出しながら、それぞれの得意分野や個性を尊重し、状況に合わせながら指導を行い、子ども同士の信頼関係を築くことがチームワークを生むといったお話もあり、受講者の方々は熱心に耳を傾けていました。
・最後は質疑応答の時間を設けました。成長過程にある子どもたちに対する日常の接し方から、音楽の指導における楽譜の解釈方法といった専門的な内容まで、1つ1つ熱意をもって丁寧に答えていただきました。


【成果】
・世界一著名な合唱団と共に生活し、世界各国で演奏旅行を行う常任指揮者が培って来た教育観や指導論を直接学ぶ貴重な機会となりました。
・受講者の方からは、「講義はもちろんだが、実際にレッスンを受けられたことに感動した」「せっかくの機会なので少なくとも2時間はほしかった」といった声をいただきました。
・実際に指導を体験しながら講義を受け、受講者が子どもの立場になることで講師の教育論や指導方法を身近に感じることができました。
・指導者は一定の安定した精神状態を保ち子どもたちと接する必要があること、一人の人間としてどのように向き合うかを考え、関係性を築き上げていくことで子どもたちの信頼を得て、それが指導に結びつくことなど、音楽の枠を超えた指導論・教育論についてお話を聞き、考えを深めることが出来ました。

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